増え続けるマンションのゴミ屋敷
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テレビのニュースなどで時々取り上げられている「ゴミ屋敷」問題ですが、報道されているのは比較的一軒家が多いですよね。
実は、マンションの1室がゴミ屋敷化している現象が、近年増えているのです。
マンションにゴミ屋敷があると、そこからゴキブリなどの害虫、ネズミなどの害獣、さらには悪臭など環境面での被害が多くなります。
一軒家のゴミ屋敷よりも、マンションの1室がゴミ屋敷になっている方が、近隣住民への被害が大きいとも言われています。
マンションは上下左右に部屋が隣接する場合があるため、害虫や害獣の被害は、近隣の部屋へも侵食する可能性があります。
隣の部屋がゴミ屋敷だと、窓が開けられないほどの悪臭被害に合う人も多く、そうなると洗濯物も干せません。
また、ゴミがたくさんあるということは、火事の危険性も高まります。
マンションの場合、ゴミ屋敷でボヤがあると、ゴミがどんどん燃えていき、火事の被害が大きくなることが多いです。
さらに、ゴミから出る水が下の階の天井から滴り落ちてくる、という場合もあります。
住宅が隣接しているがゆえに、被害が大きくやりやすいのがマンションのゴミ屋敷なのです。
マンションのゴミ屋敷が増える理由として挙げられるのが、以下の3点です。
中の様子が全く見えない
ゴミ出しが厳しいマンションがある
専有スペースが多いこと
マンションは様々な家庭が隣接しているのですが、隣の家の人がどんな人か、どんな生活をしているかまで把握できないことが多いです。
マンションは窓も少ないので中が見えてしまうことも少なく、カーテンを閉め切ってしまえば中の様子は全く分からなくなってしまいます。
気付いたら、隣の家がゴミ屋敷になっているというケースが多いのです。
マンションには専用のゴミ捨て場があり、ゴミ出しも管理人が管理しているということもあります。
すると、ゴミ出しが厳しくなってしまって、ゴミを細かく分別しないと捨てられないというルールを設定しているマンションも少なくありません。
ゴミ屋敷になってしまう人は、ゴミを捨てるということが出来なかったり、ゴミ出しを苦手としていたり、仕事などが忙しくてゴミを捨てられなくなってしまうということが多いです。
ゴミ捨てのルールが厳しいと、ゴミを部屋の中に溜めてしまう住民が出てしまい、マンションのゴミ屋敷に繋がってしまいます。
マンションには「専有スペース」と呼ばれるものがあります。
マンションのエントランスや廊下などは「共有スペース」なので、そこにゴミを置いている人に対して注意することが出来ますが、家の中やバルコニーなどはマンションの部屋に住んでいる人がお金を払って得ている「専有スペース」なので、近隣住民に悪影響を起こさない限りは、どんな使い方をしてもよいとされていることが多いです。
マンションに住んでいる人は見たことがあるかもしれませんが、バルコニーにゴミを溜めている行為も違法ではないのです。
マンションのバルコニーなどにゴミが溜まっていても、悪臭や害虫などの被害が出てからでないとゴミ屋敷になっていることが気づかないこともあります。
マンションはゴミを溜めているということを隠すことが出来る場所なので、ゴミ屋敷が増えてしまっているのです。
ゴミ屋敷に住んでいる人は、もともとゴミが好きな人というわけではありません。
仕事が忙しかったり、精神的に参っていてゴミを捨てる気力がなかったりすると、自然とゴミが溜ってしまいますよね。
その状態を周りに知られるのが恥ずかしくて、家の中に隠してしまったり、本人も家に引きこもってしまったりした状態が続くと、ゴミ屋敷化が進んでしまうのです。
マンションで隣の家の人が最近家から出ていない、というのはなかなか気付けないことなので、ゴミ屋敷になって初めて分かるということもあります。
隣の家の人がゴミ屋敷だった場合、突然ゴキブリなどの害虫の量が増えることがあります。
自分の家を清潔にしていても、隣の家にゴキブリがいると、下水の隙間などを通ってゴキブリが侵入してきます。
今までいなかったのに突然増えた、という場合はまず管理会社に連絡をしましょう。
悪臭などの被害も順に出てくることだと思うので、管理会社や管理人に委託してみるのが良いでしょう。
マンションの近隣がゴミ屋敷になってしまった場合、すぐにマンションから追い出すということは法律的に出来ないのです。
そのため、管理会社からゴミ屋敷に住んでいる人にアプローチをしてもらって、ゴミを撤去する依頼を続けてもらいます。
ゴミを撤去してくれればよいですが、そのままの場合だと強制退去という形を取ることも出来ますので、まずは管理会社・管理人に依頼しましょう。
強制撤去になるためには、そこの住民が他の住民に対して害を与えていることがわからないといけないため、写真や録音、日記などが証拠として扱われることがあります。
近隣の部屋がゴミ屋敷になっているときには、証拠集めなどをしっかりして、管理会社と連携することが大切です。
マンションの隣人がゴミ屋敷になってから、強制撤去になるのを待つのはかなり大変です。
害虫に悩まされ、悪臭のせいで洗濯ものは外に干せません。
下水から悪臭が立ち込めることもあります。
そうならないために、未然に防ぎたいですよね。
近隣住民とコミュニケーションを取るというのが未然に防ぐ方法になります。
毎朝挨拶をしていたのに、あるときからぱったり会わなくなったというのは、ゴミ屋敷化のサインのひとつです。
ですが、誰しも近隣住民と仲良く交流できるわけではないので、ポストを見るようにしましょう。
ポストから手紙が溢れかえっている状況は、ゴミ屋敷のせいでポストにまで目が行っていないという可能性があるので、管理会社を通して状況確認してもらうという方法もあります。
近年増え続ける、マンションのゴミ屋敷のほとんどは、強制退去のようです。
ゴミ屋敷を悪化させないためにも、近隣住民とは挨拶をしたり、ゴミを定期的に捨てているかを少しだけ意識するのがよいかもしれません。
ゴミが捨てられない高齢者や、仕事が忙しい若者などがゴミ屋敷になりやすい傾向にあるので、ゴミ屋敷を作らせない・ゴミ屋敷になってしまったら管理会社と連携して、ゴミ屋敷を早期改善していきましょう。