ゴミ屋敷化した空き家が増加中!原因やリスク、条例や片付け方
近年はゴミ屋敷状態の空き家が増え続けており、今後ますます増えていくと予測されています。
なぜ、空き家のゴミ屋敷は増え続けていて、今後も増えていくことが予測されるのでしょうか?
また、空き家のゴミ屋敷は、周囲にどんな影響をおよぼすのでしょうか?
今回は、空き家のゴミ屋敷が増え続けている原因や、近隣住民におよぼす影響やリスクについて説明していきます。
あわせて、各自治体が制定している条例や片付け方についてもまとめているので、空き家のゴミ屋敷を所有しているという方は、ぜひ参考にしてください。
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空き家のゴミ屋敷が増え続けている原因は、主に以下2点にあります。
ゴミ屋敷に一人で住む高齢者は、少なくありません。
この理由は、年をとると体力や認知力が衰えるため、ゴミを捨てたり、部屋を片付けたりできなくなってしまうからです。
家主が高齢者でも、かわりに片付けをしてくれる子どもと一緒に暮らしていれば、家にゴミが溜まることはないでしょう。
しかし、現代は昔と比べて、親元を離れて暮らす子どもが多いため、高齢者は子どもがいても、一人で暮らさざるを得なくなってしまうのです。
こうして高齢者の住む家がゴミ屋敷化した後、家主が亡くなれば、その家はゴミ屋敷のまま空き家になります。
残された子どもが親の住んでいた家を片付ければ、ゴミ屋敷の問題は解消しやすいです。
しかし、子どもが片付けをしなければ、空き家はゴミ屋敷状態のままになってしまうでしょう。
また、亡くなった高齢者に子どもや身寄りがなかった場合、かわりに片付けてくれる人は誰もいません。
近年では生涯未婚率が高くなっているため、数十年後には空き家のゴミ屋敷がもっと増えていることが予測されます。
空き家のゴミ屋敷は、その近くに住む人たちにとって、命すら脅かしかねない大きな脅威になり得ます。
ここでは、空き家のゴミ屋敷が近隣住民におよぼす影響やリスクについて説明していきます。
適正に管理されていない住宅は、老朽化によって倒壊するリスクが高くなります。
特に、ゴミが大量に積もっているゴミ屋敷では、住宅がゴミの重みに耐えきれず、倒壊するリスクが特に高いのです。
もし、誰かがゴミ屋敷の空き家の前を歩いているときに住宅が倒壊したら、その人は下敷きになってしまいます。
最悪の場合、命を落としてしまうこともあるでしょう。
宅内に可燃物が大量にあるゴミ屋敷では、火の回りが早いため、火災のリスクが高くなっています。
とはいえ空き家なら、住人の火の不始末によって火災が起こることはないでしょう。
しかし、放火されたなら話は別です。
放火犯のなかには、人が住んでいなくて、なおかつ燃えやすいゴミ屋敷の空き家を狙う者もいます。
火災が起これば、近隣の住宅に延焼する可能性もあり、非常に危険です。
各自治体では、空き家とゴミ屋敷の両方に対し、条例を制定して対処しています。
条例の対象になる条件は、それぞれ以下のとおりです。
どちらの条例も内容が非常に似ており、基本的には以下の流れで進みます。
条例を制定している自治体は、市民の相談や苦情を受け、当該住宅を調査します。
調査の結果、空き家やゴミ屋敷が改善の必要ありと判断されれば、その家の所有者は、行政から改善をするよう「指導」を受けます。
期日までに改善しなかった場合は「勧告」が、勧告も無視した場合には「命令」が下される流れです。
命令を受けても改善しなかった場合は、「行政代執行」が下されます。
これは空き家やゴミ屋敷の所有者に代わって、行政が強制的に問題の解決を図るというものです。
この場合、行政は空き家を解体したり、ゴミ屋敷のゴミを片付けたりできます。
その際かかった費用は、空き家やゴミ屋敷の所有者が負担しなければなりません。
ここまで、空き家やゴミ屋敷対策の条例について説明してきました。
しかしこの条例は、全ての自治体にあるわけではありません。
なかには空き家やゴミ屋敷対策の条例がない自治体や、行政代執行まではしていない自治体もあるのです。
自治体ごとの空き家に対する条例の有無や簡単な内容は、NPO法人「空き家・空き地管理センター」から確認することが可能です。
例えば、東京都品川区の条例では、行政代執行の他に、命令に従わない人の氏名が公表されるという措置もあります。
一方で、東京都足立区の条例では、命令や行政代執行はなく、対処は勧告に留められています。
ゴミ屋敷に対する条例の有無については、「自治体名 ゴミ屋敷 条例」などで検索してみましょう。
その自治体にゴミ屋敷の条例があるなら、検索結果に出てくるはずです。
逆に、検索結果にそれらしいものが表示されないなら、その自治体はゴミ屋敷の条例を制定していない可能性が高いと言えるでしょう。
空き家のゴミ屋敷を所有しているという人は、行政に目をつけられる前に、早めに解消のための措置をした方が賢明です。
また、条例がない地域に空き家を所有している人も、倒壊などによって第三者に被害があれば、損害賠償を請求されてしまうでしょう。
そうならないためにも、やはり一刻も早く対処すべきです。
では、空き家のゴミ屋敷を片付けるためには、どうすればいいのでしょうか?
ゴミ屋敷を一人で片付けることは、非常に困難です。
そのため、ゴミ屋敷の片付けは、ゴミ屋敷清掃業者に依頼しましょう。
ゴミ屋敷清掃業者に依頼すれば、スタッフが1日のうちに、ゴミ屋敷のゴミを全て片付けてくれます。
お金はかかりますが、自分で片付けをする手間や時間はかかりません。
状態や立地が悪くなければ、ゴミを片付けた後で、家を売ることも可能です。
近隣住民の安全のためにも、そして自分自身のためにも、ゴミ屋敷の空き家を所有しているという人は、ぜひ検討してみましょう。
近年では、ゴミ屋敷化した空き家が増えていることが問題になっています。
こうした空き家は、倒壊や火災により、近隣住民に甚大な被害をおよぼす危険があります。
そのため、ゴミ屋敷化した空き家を所有しているという方は、事件や事故が起こる前に、なるべく早く対処しましょう。
ゴミを片付けてゴミ屋敷状態を解消するだけでも、倒壊や火災のリスクはグッと低くなります。