ゴミ屋敷に住む親はどう対処する?
久々に親の家に帰ったら、ゴミ屋敷になっていた!
そんな状態を目の当りにしたらびっくりしてしまい、途方に暮れてしまう方もいるのではないでしょうか。
昔は親の家をキレイに片付けていたのに、どうしてこんなことに…と現実を受け入れられない方もいるかもしれません。
でも、最近このように高齢になっていくにつれて、親が実家をゴミ屋敷にしてしまうというケースが増えてきているのです。
そこで今回は、高齢者になった親がゴミ屋敷を作り出してしまう背景や、その対処方法について解説していきます。
高齢者のゴミ屋敷では、配偶者がいない単身者のゴミ屋敷が増加傾向にあります。
身の回りの片付けがうまくいかなくなる認知症の方や、自分で判断を付けられる状態の高齢者がゴミ屋敷を作ってしまっているということもあります。
なぜ、親の家がゴミ屋敷を作ってしまうのでしょうか。
考えられる原因は以下のようなものが挙げられます。
・持病や、気力や体力の低下によるもの
・鬱病やADHDなどの精神疾患によるもの
・物を捨ててはいけないという罪悪感によるもの
・周りに迷惑を掛けたくなく片付けの助けを頼めないため
・セルフネグレクトによるもの
「片付けられない症候群」などという言葉が一時期話題となりましたが、ゴミ屋敷を作る背景にはADHD(注意欠陥多動性障害)という症状が隠れている場合があります。
ADHDは、「集中力」「活動性」「衝動性」「多動性」などを自分でコントロールしにくいのが特徴で、整理整頓は苦手な分野となります。
親のどちらかがいれば、配偶者がカバーしてくれていたかもしれませんが、配偶者に先立たれてしまった場合、自分1人では管理しきれず家が散らかってしまうというわけです。
また、親の家がゴミ屋敷になってしまう原因の一つがセルフネグレクトによるものです。
歳を老いたことや、持病などでこれまでの生活を保つ気力がなくなっていってしまうのです。
普通ならば食事やトイレでの排泄、入浴など健康を保つために当たり前にやっていることも、次第に億劫になっていき放棄をし始めてしまいます。
そうなると、片付けをする余裕があるわけもなく、どんどんと家が汚れていってしまうのです。
このように、配偶者がいなくなったことなどをきっかけに自分自身を管理できなくなっていき、その結果部屋も汚れていってしまうというパターンが親の家がゴミ屋敷になる背景によくある原因だと考えられます。
自分の親がゴミ屋敷を作ってしまっていたら、すぐに解決を図りたいと考えますよね。
しかし、意外にも親自身はゴミをゴミだと認識していない場合が多いのです。
捨てようと働きかけても、「これは大事なものだから」と傍から見たら不要なものでも譲らないケースも少なくありません。
そうした時にこちらが強硬姿勢に出ると余計にうまく事が運ばない場合も多いにあり得ます。
・こうするべきだと決めつけない
・怒鳴るなど強い態度に出ない
などを意識して、親に対して冷静にゴミ屋敷のままでいるとどんなデメリットが出るかを話していきましょう。
火災を招いてしまったり、部屋の中のゴミにくじいて怪我をする恐れもあります。
害虫やカビが発生してしまい、健康被害が及ぶ可能性もあります。
これらの説明をして、説得するようにしていきます。
それでも話が通じないと判断したら、親と自分の間に行政や業者など第三者を介しましょう。
親と家族が話すよりも落ち着いて話を聞いてくれる場合もあります。
業者に親のゴミ屋敷の片付けを依頼する場合、どこの業者を選ぶかがポイントとなります。
ゴミ屋敷清掃を行うために必須の資格はありませんが、「ゴミ屋敷清掃士」の資格を掲げている業者は、ゴミ屋敷に対して専門の知識を持っているので安心です。
中には適当な片付けをして終わらせる悪徳業者もあるので、「ゴミ屋敷清掃士」の資格があるかどうかも業者選びの判断基準となるでしょう。
また、1つの業者で即決せず、複数の業者の見積もりを取って条件がいいと感じたところを選ぶことも検討してみましょう。
余りに安い値段を設定しているところだと、ずさんな処理で終わらせられる可能性もあるの、複数の業者から見積もりを取るようにしましょう。
いきなり業者はちょっと…という場合は、所属している自治体で相談に乗ってもらえることもあります。
まずは、行政に間に入ってもらって、親の家がゴミ屋敷になったことを掃除段して、片付けるためのアドバイスをしてもらうのもいいでしょう。
客観的視点でゴミを片付けた方がいいことと、片付けるためにどうしたらいいかを親に伝えてもらうと、片付けようという意欲に繋がるかもしれません。
親がゴミ屋敷を作ってしまった場合にどうしたらいいのかを解説してきました。
「まさか自分の親が」と思っていても、単身者になった途端に自身の管理が出来なくなり、あっという間にゴミ屋敷になってしまうケースも珍しくはありません。
まずは問題を解決するために、親とよく話し合うようにしてみてください。
決して無理強いはせず、お互いが納得できるように努めることが大切です。
その上で、業者に依頼をするなど、借りられる力を借りて問題解決へと進めていきましょう。