ゴミ屋敷になってしまう人は病気が原因?
近年、社会問題として多くのメディアでも取り上げられる「ゴミ屋敷」。
一見、不用品やゴミが溜まっているだけに見えますが、ゴミ屋敷化してしまった経緯や原因は人によって異なります。
なかには、さまざまな病気が原因でゴミを溜め込み、ゴミ屋敷を作り出してしまっている人もいるのです。
今回は、ゴミ屋敷を作り出してしまう病気や、そういった病気にかかりやすい人の特徴、解決方法についてご紹介いたします。
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ADDとADHDは、別名「注意欠陥障害」、「多動性障害」とも言われる病気です。
注意力が散漫になってしまうことが大きな特徴で、衝動性が強いため、目の前のことをしないと気が済まないという症状があります。
じっとしていたり、1つのことに集中することも苦手なため、片付けをしようと思っても、場所を移しただけだったり、かえって散らかしてしまったりすることが多いです。
また、ADDやADHDを患っている人のなかには、完璧にできないとパニックに陥るケースも少なくなく、思い通りに片付かないことで取り乱してしまうこともあります。
ADD、ADHDは発達障害の1つであるため、大人になっても自分がADDやADHDであることに気付かない人もたくさんいます。
以下の項目に当てはまる方は、ADDやADHDである可能性も考えられます。
l 思ったことをすぐに言ってしまう l 特定のものに強いこだわりがある l ケアレスミスが多い l 忘れやすい、モノをなくしやすい l 話が脱線することが多い l 人が話しているのを遮ってしまうことがある |
これらの項目に強くあてはまる場合は、一度専門医に相談してみると良いでしょう。
OCDは、別名「強迫性障害」とも言われる、強い不安感や恐怖感が脳裏に迫ってくる病気です。
最近では、強烈な不安や恐怖から、モノを大量に溜めこんでしまうことから、「ためこみ症」とも呼ばれています。
OCDの人は不安、心配という切迫感情が強いことから、何度同じことをしても気が済まず、まわりからするとムダとも思えるような行動をとってしまいます。
そのため、ゴミを捨てなければいけないのは分かっていても、「とっておかなければいつか困るかもしれない」と不安感に迫られ、捨てられないのです。
また、OCDの特徴として、左右対称やモノの置き場所すべてに秩序があるケースが多く、少し場所がずれるだけで、強烈な不安にかられてしまいます。
そのため、ゴミを捨てることさえできずに、ゴミ屋敷化してしまう人が少なくないのです。
ACDは、神経質や潔癖証、心配性のような症状が多いです。
自分では自覚があるのに、何度も同じ行動を繰り返してしまったり、自分の頭になかにあるルールにとらわれてしまったりする場合、OCDである可能性があります。
l 小さなことでも気になる l 何度同じ確認をしても不安感がぬぐえない l 確認が多く、外出する前時間がかかる l 意思に反して、マイナス想像がとまらない |
これらの項目に強くあてはまる場合は、一度専門医に相談してみると良いでしょう。
仕事や育児、人間関係など、精神的・肉体的なストレスが原因で時期起こされる「うつ病」は、現代人にとって身近な病気として知られています。
うつ病は、何をしていても憂鬱で、意欲がわきません。
いつもなら楽しめることや好きなことも、楽しい、嬉しいといった感情を感じなくなってしまうのです。
何に対してもエネルギーが沸いてこない状態のため、部屋が汚れていくことやゴミが溜まっていくことにも無関心になってしまいます。
その結果、うつ病が原因でゴミ屋敷を作り出してしまう場合があるのです。
うつ病は誰にでも起こりうる病気です。
発症する原因は人によってさまざまで、仕事や育児によるストレスのほか、大切な人の死や家庭内のいざこざによっても引き起こされるケースも少なくありません。
以下のような特徴に当てはまる場合は、うつ病である可能性があります。
l カラダがだるく、常に疲労感がある l 気分が沈むことが多い l 食事をしても味がしない l 朝起きたときに気力がわいてこない l 好きだったことも楽しめなくなった l 突然涙がでることがある l 何をしていてもストレスが発散されない |
これらの項目に強くあてはまる場合は、一度専門医に相談してみると良いでしょう。
このほか、セルフネグレクトや、認知症、総合失調症といった病気も同様に、自宅がゴミ屋敷化してしまう可能性があります。
どの病気も、症状レベルは人によって違いがありますし、障害や特徴にも個人差があるものです。
しかし、こういった脳の障害により、「ゴミを片付ける」ということに意味が感じられなくなったり、放棄してしまったりすることで、ゴミ屋敷を作り出してしまうかもしれません。
ゴミ屋敷を作り出してしまう病気は、ある日突然発症する場合もあります。
ストレスや疲れ、寂しさなどが引き金となり、病気が発症、進行してしまうケースが少なくありません。
「あの人は絶対に病気にならない」と思われるような明るく元気な人であっても、精神を病み、病気にかかってしまうこともあります。
ゴミ屋敷状態に陥る前に、ご家族や友人など、周囲の人たちが手を差し伸べてあげることが必要です。
また、ゴミ屋敷は害虫や異臭トラブルとなるだけでなく、火災や倒壊などの引き起こしてしまう可能性もあります。
最悪の事態に陥る前にも、周囲がサポートをして、ゴミ屋敷化してしまうのを未然に防ぎましょう。
すでに大量のモノで覆い尽くされ、ゴミ屋敷化してしまった場合は、片付けることさえ困難です。
害虫が大量に沸き、悪臭も漂うなか、ひたすら作業に当たるのは難しい方も少なくないでしょう。
そんなときは、ゴミ屋敷を片付けてくれる専門業者の手を借りましょう。
短時間で家中のゴミを処分してもらえますし、いるものといらないものの分別まで対応してもらえます。
ゴミ屋敷の場合、ゴミを取り除いても室内の汚れが酷いケースが多いですが、専門業者ならハウスクリーニングまで対応してもらえるので便利ですよ。
なんらかの病気が原因でゴミ屋敷化が進んでしまっている場合は、周囲のサポートが必要不可欠です。
まずは治療をし、病気を治すことから始めましょう。