自治体が行うゴミ屋敷の対策

物が捨てられない、物をどんどん溜め込んでしまい、ゴミで溢れた家や部屋のことを「ゴミ屋敷」と言います。

ゴミ屋敷の家主は、ゴミ屋敷に溜まっているゴミは一見不必要な物だと思われる物も、必要な物だと思っています。

 

しかし、ゴミ屋敷は悪臭や見た目だけではなく、建物の倒壊や火災の恐れもあるなど深刻な問題を引き起こし兼ねませんので、周りの住人にとっては迷惑以外の何ものでもありません。

近年では、ゴミ屋敷の問題を解決するために各自治体で条例が制定されるようになりました。

今回はそんな自治体の取り組みを「横浜市」と「世田谷区」を例に出して紹介していきたいと思います。

自治体 ゴミ屋敷 対策 ブログ01

ゴミ屋敷の条例とは

 

ゴミ屋敷の条例を施行している自治体ではどのような流れで手続きをするのでしょうか。流れを説明します。

 

1、住民からの申し出や相談・苦情

2、調査

3、助言・指導

4、勧告

5、命令

6、行政代執行

 

行政代執行とは、国や地方自治体などの行政機関が、命令や義務を果たさない人の代わりに行政機関が強制的に撤去・排除などを行うことです。

代執行の負担は居住者が負担することになっています。

 

ゴミ屋敷に関する条例横浜市の取り組み

 

横浜市では、ゴミによる「不要な生活環境」の解消・発生防止を図るために、「横浜市建設物における生活環境の解消及び発生の防止を図るための支援及び措置に関する条例(いわゆる「ゴミ屋敷」対策条例)」を平成28121日から施行し、取組を進めています。

 

横浜市のゴミ屋敷に関する条例①不良な生活環境とは

 

ゴミなどのものが屋内や屋外に積まれることにより、悪臭や害虫の発生、崩落や火災の危険性が生じるなど、本人または近隣の生活環境が損なわれている状態(いわゆる「ゴミ屋敷」状態)を言います。

 

横浜市のゴミ屋敷に関する条例②住民への支援方法

 

基本的にゴミ屋敷状態を解消する責任は、物を溜め込んだ本人にあります。

しかし、その背景には、認知症、加齢による身体機能の低下や地域からの孤立などさまざまな課題があります。

これまでも福祉的側面からの支援を行ってきましたが、引き続き、市・区役所と関係機関や地域住民が協力して、本人に寄り添った支援を行います。

この取組では、ゴミを片付けるだけでなく、生活上の諸課題の解決を目指します。

自治体 ゴミ屋敷 対策 ブログ02

横浜市のゴミ屋敷に関する条例③条例でできること

 

調査

物を溜め込んだ本人、親族関係、福祉利用の状況の調査

ゴミの排出支援

近隣の生活環境が損なわれ、本人は同意しているものの自ら片付けられない場合、市がゴミの排出支援をします。

措置(代執行)

周辺住民の生命・身体に深刻な影響を及ぼすおそれがあるのにも関わらず、再三の働きかけにも応じない場合については、指導・勧告・命令・代執行を行うことができます。

代執行は、行政代執行の要件を満たした場合に限り可能とされています。

 

横浜市のゴミ屋敷に関する条例④問い合わせ先

 

・条例に関することは、健康福祉局福祉保健課

・いわゆる「ゴミ屋敷」に関することは、各福祉保健課

・ゴミ処理一般に関することは、各区の資源循環事務所

 

ゴミ屋敷に関する条例世田谷区の取り組み

 

世田谷区では、平成283月「世田谷区住居等の適正な管理による良好な生活環境の保全に関する条例」を制定し、4月に施行しました。

自治体 ゴミ屋敷 対策 ブログ03

世田谷区のゴミ屋敷に関する条例①条例の対象となる「管理不全な状態」とは

 

条例では、1〜3全てに該当する場合を「管理不全な状態」(いわゆる「ゴミ屋敷」)と定義しています。

 

1、現に、居住者が居住していること

2、住居等(住居及びその敷地)に物品が堆積し、又は散乱した状態にあること

3、居住者及び地域住民の生活環境が著しく損なわれている状態にあること

例:物品の道路等への崩壊、流失、悪臭の発生、ゴキブリ、ハエ、ネズミその他これらに類する動物が群生しているなど

 

世田谷区のゴミ屋敷に関する条例②それぞれの責務

 

条例では、良好な生活環境を保全するために、居住者等、区の責務について規定しています。

 

居住者等の責務

居住者等(所有者、管理者を含む。)は、住民等が管理不全な状態にならないようにするために適正な管理に努めなければならない。

区の責務

区は、住民等の適正な管理を居住者等が自らすることができるよう必要な施策を総合的に推進し、予防するための対策や管理不全な状態を解消するための必要な措置を講じるものとする。

 

世田谷区のゴミ屋敷に関する条例③区の取り組み

 

問題の解決に向けては、居住者に対し必要な助言や福祉的な支援を行いながら、不要な物品の撤去や整理整頓などを促します。

また、やむを得ない事情により居住者が対応できない場合には、居住者に代わって、区が片付けや整理整頓などを行うことにより改善を図ることとしています。

 

世田谷区のゴミ屋敷に関する条例④ゴミ屋敷の相談窓口

 

環境保全課

電話番号:03-5432-2278

FAX:03-5432-3062

総合支所地域振興課計画・相談(世田谷区は計画調整・相談)

・世田谷

電話番号:03-5432-2818

FAX:03-5432-3031

・北沢

電話番号:03-5478-8038

FAX:03-5478-8004

・玉川

電話番号:03-3702-1134

FAX:03-3702-9020

・砧

電話番号:03-3482-1324

FAX:03-3482-1655

・烏山

電話番号:03-3326-1207

FAX:03-3326-1050

 

ゴミ屋敷清掃業者に依頼する方法を紹介

 

自治体の条例に則って、ゴミ屋敷を片付けられたら良いですが、実行されるまで時間が掛かることもありますし、条例が制定されていない地域もまだまだ多いのが現状の課題としてあります。

自分の力ではゴミ屋敷を片付けられないと感じたときは、「ゴミ屋敷の片付け専門業者」に依頼することを検討しましょう。

自治体 ゴミ屋敷 対策 ブログ04

ゴミ屋敷清掃業者選びの注意点

 

ゴミをとりあえず片付けてくれればどこでも良いわけではありません。

見積もり後に高額な金額を請求する悪徳業者も中にはいます。

また、不用品回収業者ですと、ゴミの搬出と処分のみしか請け負っていないところもあるので注意が必要です。

ゴミ屋敷清掃業者を選ぶ際に参考にしたいところは、実績もあるゴミ屋敷の片付け業者に依頼することでしょう。

見積もりもしっかりしてくれますし、ゴミの分別や処分、リサイクル、清掃までトータルで行ってくれます。

業者選びに気をつけることで、短時間で確実にゴミ屋敷を綺麗にしてくれるので、ゴミ屋敷を片付ける選択肢の一つと言えるでしょう。

 

まとめ

 

ゴミ屋敷の問題を解決する条例を紹介してきましたが、いかがだったでしょうか。

周辺住民で問題を解決しようとしても限界がありますし、トラブルになりかねません。

そんな時は、行政の制度を頼って、解決の糸口を見つけましょう。

各自治体のホームページに詳しい情報や連絡先などがありますので、困った時はまず相談してみてください。

現状として、ゴミ屋敷の強制撤去まで踏み込める自治体はまだそんなに多くないですが、今後ゴミ屋敷の問題が増えるにつれて、新たな条例も制定されていくでしょう。

自分が住んでいる地域はそもそも条例が制定されているのか、もし条例がない場合はどこに相談すれば良いのかも含め把握しておくと安心ですね。

自治体 ゴミ屋敷 対策 ブログ05

スタッフブログ一覧へ

ページトップへ