賃貸がゴミ屋敷になってしまった場合のリスク
マンションやアパートなどの賃貸で住んでいる一室がゴミ屋敷になってしまったら…。
一軒家ではなく、集合住宅だけに荷物が通行の邪魔になったり、悪臭が立ち込めたりと何かとトラブルの火種となりそうですよね。
そこで今回は、もし住んでいる賃貸の部屋がゴミ屋敷になったら、どのようなリスクが出てくるのかを項目ごとに解説していきます。
Contents
賃貸がゴミ屋敷になってしまった場合、どのような問題が出てきてしまうのでしょうか。
近隣とのトラブルになってしまったり、余分な出費が発生しないために考えられるリスクを解説していきます。
賃貸のゴミ屋敷で料金が発生するとしたら、部屋から退去をする時でしょう。
賃貸の部屋がゴミ屋敷となった場合にポイントとなるのは、ゴミを溜めてしまったことが故意かどうかです。
故意に散らかしてやろうとゴミ屋敷を作り出したのであれば、退去する際に原状回復費用を管理人が賃借人に請求することができます。
原状回復と聞くと、入居時のようなピカピカな状態をイメージする方が多いですが、実はそうではありません。
どれだけキレイに部屋を使っていたとしても、クロスが黄ばんでくるなど、ある程度は経年劣化していき、入居時の状態とは異なってくるものです。
それを加味して、入居年数に応じた状態に整えるにはこのくらいの金額になるだろうと割り出されるのが原状回復費用です。
原状回復費用の金額が、退去する際に賃借人に請求されます。
つまり、ゴミ屋敷になったことが原因で、クロスや設備を交換することになったとしても、全額請求までには至らないということです。
更に、ゴミ屋敷になったのが故意ではないと見なされれば、請求される額は更に少なくなる可能性もあります。
賃貸でゴミ屋敷を招いてしまった場合、気になるのが安全問題です。
ゴミなどの荷物が部屋中に散乱していると、火災を招く恐れもありますよね。
廊下などの共有スペースにゴミが溢れていたら、愉快犯が放火するということも考えられます。
賃貸物件の場合、ゴミ屋敷を作ってしまった賃貸人の部屋が燃えたら隣りや上下の住人の家にも火が燃え移ったりと被害が甚大になってしまう場合もあります。
集合住宅ゆえの近い距離での火災となるので、燃え広がる範囲が広域に及んだりと、周りに多大なる迷惑を掛けてしまう事態にもなりかねません。
また、とあるアパートでのケースでは、水気のあるゴミを長年部屋に置いていたのでしょうか。
住人を強制退去させた際にゴミをどけてみると、フローリングの床が波打つように歪んで腐り果てていたというケースがあったそうです。
躰体部分まで腐食は及んでいたので、結局そのマンションは築10年足らずで建て替えを余儀なくされたのです。
このように、ゴミ屋敷は自分の家だけの問題ではなく、近隣の住人や管理人にも多大な迷惑を掛けることもあるということを知っておかなければいけません。
賃貸の物件だと、一軒家よりも隣りの部屋との距離が近い場合も多く、廊下などの共有スペースもありますよね。
そのため、近隣住民に与える被害は賃貸の方が大きいと言えるでしょう。
ゴミ屋敷があることによって、
・悪臭被害
・ゴキブリなどの害虫被害
・景観を損なう
・火災などのリスク
などの迷惑を近隣住民に掛けてしまう可能性があります。
また、管理人にクレームや直接クレームを言ってくるだけに留まらず、中には警察沙汰となってしまうかもしれません。
近隣住民との関係が悪化してしまわないように、ゴミ屋敷に対する指摘を受けたら誠意を見せて対応するようにしたほうが良いでしょう。
ゴミ屋敷を作り出した住人を追い出したいと管理人が思った場合、「善管注意義務」といったものが出てくる可能性があります。
「善管注意義務」とは、賃借人は賃貸人に対し、賃借物を明け渡すまで、善良な管理者の注意をもってその賃借物を保管しなければならない義務のことを指します。
いくら管理人が注意をしても、一向にゴミ屋敷が改善される気配がなければ、この「善管注意義務」に違反していると判断され退去を言い渡される可能性もあります。
ただ、即座に退去といったケースは珍しく、
・口頭や文書で注意勧告
・期日を言い渡されその日までに片付けが出来なければ退去という内容証明が届く
・内容証明を送っても退去しない場合は明け渡し訴訟
と、段階を踏んで進んでいき、訴訟で負けたら強制退去という流れになっていきます。
ここまでいくにはお互いに膨大なエネルギーを費やすこととなるので、双方にメリットがあるとは言えないでしょう。
賃貸物件がゴミ屋敷になってしまった場合の対策方法は以下の通りになります。
・管理人に相談する
・自治体に相談する
・捨てられるものから捨てていく
・収納と掃除をする習慣をつける
・ゴミ屋敷の専門業者に依頼をする
まずは、最低でも現状キープを目指しましょう。
これ以上新たなゴミを増やしてしまわないように、物を買うのはやめて、少しずつゴミを整理していきます。
そして、自分の手には負えないと思ったらなるべく速やかに行政や専門のゴミ屋敷清掃の業者などに相談をするようにしていきましょう。
賃貸で自分の住んでいる部屋をゴミ屋敷にしてしまった場合に、起こりうるリスクや問題、対策を挙げてきました。
ゴミ屋敷は近隣の住人へ迷惑を掛けてしまいがちですが、賃貸物件だと周囲の家との距離が近いため、与える影響がより大きくなってしまう恐れがあります。
そのため、賃貸のゴミ屋敷を片付けたいと少しでも考えたときには、少しずつゴミを片付けていきましょう。
自分でゴミ屋敷を片付けられなかった時には、ゴミ屋敷専門の片付け業者に賃貸の部屋を掃除してほしいと依頼することも検討してみましょう。
思わぬトラブルを招いてしまう前に、ゴミ屋敷を作ってしまったと思ったら早めに対処をするようにしていくことをおすすめします。